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誤った嚥下(えんげ)の仕方

こんにちは。院長の波木です。

 

コロナ禍で「誤った嚥下」が増えています。
誤った嚥下の仕方を続けていると、お口の環境や見た目に、様々なデメリットが生じることがあります。
ご自身の健康を守るため、正しい嚥下ができるよう、心がけましょう。

 

 

嚥下(えんげ)とは

 

口に入れた食べ物を噛んで、十分細かくなると、舌は口内の食べ物を集めて喉に送り込みます。
喉から食道へ食べ物を送り込む際には、舌によって押し出される強い筋力が必要です。
こうした食べ物や液体、唾液を飲み込む動作を嚥下(えんげ)と言います。

 

(1)乳児嚥下(にゅうじえんげ)

 

赤ちゃんには母乳を摂取するため、哺乳反射(赤ちゃんが口に入ってきたものを反射的に吸う行動)という機能が備わっています。
この哺乳反射により、主に舌の動きによって連続した乳汁摂取(おっぱいを飲み続ける)がなされます。

 

1.口を大きく開けたまま
2.口内の奥まで乳首を引き込み
3.舌を前後に動かすことで嚥下する

 

これが「乳児嚥下(にゅうじえんげ)」とよばれる動きです。

 

 

(2)乳児嚥下から成人嚥下へ

 

乳児期に特徴的な口腔内の形態は、成長とともに変化し、なくなっていきます。
嚥下は「乳児嚥下」から「成人嚥下」へと変化していきます。
このような機能面の成長発達、反射による動きから、「成人嚥下」の機能を獲得していきます。

 

 

(3)成人嚥下

 

「成人嚥下」とは以下の動きをいいます。

 

1.口唇を閉じ
2.咀嚼や舌の動きによる食塊形成ができ
3.舌を口蓋(上顎の裏 = スポット)に付けて
4.舌を奥に送ってものを飲み込む

 

 

「成人嚥下」は舌を口蓋に押しつけます。
この舌の力によって上顎が発育します。

 

誤った嚥下

 

コロナ渦にあって、成人嚥下が出来ず、乳児嚥下の様な誤った(吸引)嚥下をしている人が非常に増えています。
三者の比較です。

 

 

誤った嚥下のデメリット

 

「誤った嚥下(吸引嚥下)」には、8つのデメリットがあります。

 

① 前歯が唇側に倒れたり、間がすいてきたり、触ると動いたりする
→歯の裏に舌を押しつけており、舌が持ち上がっていないこと。また、飲み込むたびに前歯に舌の圧力がかかることで、起こります。

 

② 頬や口唇が内側に吸われ、歯の跡が付く
→口内を陰圧にして飲み込むことで、起こります。

 

 

 

③ 下唇が腫れ、舌に歯の圧痕が付く
→②と同様、口内を陰圧にして飲み込むことで、起こります。

 

④ 知覚過敏や痛みが生じやすくなり、大臼歯の歯周病が進行し、歯の破折が起こる
→1日に平均600回すると言われる嚥下のたびに、上下の歯が当たることで起こります。

 

⑤ お腹にガスがたまったり、気管につばが入ってむせたりする
→口内の空気を飲み込むため、起こります。

 

⑥ 歯石やステインが付きやすくなる
→唾液を歯と歯の間から押し出すため、起こります。

 

⑦ 頬の内側を誤って咬んだり、内出血したりする
→頬の内側が変形しているため、起こります。

 

⑧ 頬がこけたり、しわが寄ったりする
→頬や口唇を内側に吸いこむため、起こります。

コロナ渦で、マスク生活を余儀なくされ、マスクの圧迫によって、頬や下顎に力がかかります。
感染に対する警戒心や恐れがストレスとなって、代償行為として嚥下が変わってきている可能性もあります。
いずれにしても、誤った嚥下の仕方で良い事は何もありません。
気づいた時点で、早めに止めるようにして下さい。

 

 

正しい嚥下をするための訓練

 

訓練としては、ドラッグバックという方法が適切です。
口蓋に舌を吸いつけた状態で、舌を奥にずらします。出来るようになったら、小さいゼリーを舌の上に置いて、口を開けたまま飲み込む練習をします。嚥下時に口蓋を使う感覚を身につけます。
その後、口を閉じた状態で同じような嚥下が出来たら、それを習慣化させて下さい。

 

 

 

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