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初北海道

こんにちは。院長の波木です。
毎年お盆休みは、ライブに行ったり、
友達と会ったりするくらいで、
遠出をしたり、旅行に行く事はありませんでした。

 

昨年末に思い立って金沢を訪れたのをきっかけに、
旅行熱が目覚め、
今まで行ったことがない北海道を巡ることを決めました。

 

まずは、成田から新千歳に向かう便を探し、
札幌2泊のうち、市内観光の1日目と、
レンタカーを借りての2日目、
苫小牧から洞爺湖泊の3日目、
函館泊の4日目、最終日に函館から羽田へ、
こんな計画をたててみました。

 

<1日目>
早朝に自宅を出て、成田空港に 6 時半、
成田→新千歳空港に 9 時過ぎに到着。

 

札幌のホテルに荷物を預けて、先ずはランチ。
スープカレーのお店(SAMURAI)を見つけて、
山わさび香る野菜たっぷり豚しゃぶカレーを。

 

市内の地理がわからないので、右往左往しながら、
何とか市電に乗って藻岩山ロープウェイ乗り場に到着。
更にケーブルカーで山頂展望台へ。
標高531mの高さから市内が一望出来るはずが、
時折小雨が降る生憎の天気。
ただ下界の暑さをよそに寒いくらいで、
一気に汗も引きました。

 

そこから市内の中心部に入り、
大通り公園から札幌テレビ塔へ。
テレビ塔の展望台からは、
よく見る一直線の大通りの景色が。
近くにあった「KANON」という喫茶店に立ち寄り、
晩御飯は割烹でキンキのしゃぶしゃぶ。
上品な白身を湯に通してポン酢で頂きます。美味でした。

 

その後「fermata」というワインバーを見つけ、
北海道産ワインを何種か飲んで初日は終了。

 

<2日目>
7時半にレンタカーを借りて、北へ向かう。

 

100㌔程走って最初の目的地北竜町「ひまわりの里」へ。
目の前に飛び込んで来た
一面に広がるひまわりの黄色が圧巻‼️

 

 

遊覧車ひまわり号に乗って畑の中を周遊。
黄色いエネルギーを沢山吸収しました。

 

そこから旭川へ出て、今度は南東に下がり美瑛へ。
街道沿いの「ぜるぶの丘」に立ち寄り、
この日のハイライト「四季彩の丘」
丘の上から眼下に広がるのは、
赤や黄色、紫、橙、白の花の絨毯❗️
斜面に美しく並んだ花畑は、色の配列も見事。
沢山の観光客が訪れるのもわかります。

 

 

そこから富良野に。
「ファーム富田」では、
ラベンダーの時期は終わっていましたが、
鶏頭などの花が綺麗でした。
隣のメロンハウスで夕張メロンを食べて、札幌に戻ります。
310㌔のロングドライブ無事終了

 

 

<3日目>
早朝に札幌を出発し、苫小牧でレンタカーを借りる。

 

次の目的地は登別温泉
1時間ほど走って、「第一滝本館」で日帰り温泉を堪能。
10以上の風呂があり、
しかも地獄谷を目前に見られる立地が素敵。
地獄谷遊歩道を歩き、『三途の川』から展望台へ。

 

 

山越えのルートをひたすら走って宿泊地の洞爺湖へ。
湖畔のお店でランチした後、「昭和新山」に。
隆起した岩丸出しのゴツゴツとした山肌は迫力満点

 

 

洞爺湖は、広くて穏やか。
対岸に見える山や湖面に雲間から陽が差して神々しい。

 

湖畔から競走馬を育成する牧場を見たり、
浮御堂公園を散策して、
宿泊するホテルへ。

 

山頂にポツンとあるホテルからは、洞爺湖が一望でき、
さながら天空の城という雰囲気。

 

 

スコールが降って湖上に虹がかかり、更に神秘的に。

 

<4日目>
早朝に露天風呂に入ったあと、
雲海から陽が昇って素晴らしい景色が見られました。

 

レンタカーを返すために苫小牧へ。
車での総走行距離は550㌔、よく走りました。

 

特急北斗に乗って苫小牧から函館へ向かう。
特急に乗って3時間もかかるなんて、
北海道は本当に広い!

 

函館に着いて朝市に向かい、
蟹と海老丼と鮭のハラス焼きを食す。

 

台風が東北地方に接近している為、
風が強い中を五稜郭タワーへ。
この日は、
お盆休みの日曜日とあって展望台に登る人で長蛇の列。

 

諦めて、隣接する函館美術館でやっていた「肉筆浮世絵の世界」展で、
北斎や広重の作品をゆっくり鑑賞。

 

そこから市電で函館山ロープウェイ山麓駅へ。
ロープウェイに乗り17時30分には頂上に。

ようやく日が傾き始めたくらいなのに、
函館市街地が見える展望台の北側は、既に人だかり。
1時間後に空が暗くなり始め、街に灯りが点き出す。
そしてようやくの夜景。
百万弗の夜景」の名の通り、絢爛としつつ、
凹凸のある地形の妙も相まって素晴らしい景観。

 

 

 

中心街に戻って、海鮮居酒屋で、
たらば蟹とザンギ、蒸しつぶ貝を食す。

 

<5日目>
台風が近づいて雨が降ったり止んだりの荒天。
風が強くて傘も役に立たないほど。

 

行く予定だった場所が幾つかあったのですが、
諦めて函館駅で時間を潰す。
途中、雨の合間を縫って、
朝市で雲丹丼を食べる。
鉄道も遅延していて
構内は人で溢れて身動きが取れないので、
早めに函館空港へ。

 

お土産を買っても時間が余ったので、
ホッケのフライやザンギをアテに道産のビールを。

 

わずかに出発が遅れたけれど、
何とか離陸できて、羽田に無事到着。
東京は暑い(苦笑)

 

総移動距離900㌔、
4泊5日の北海道ツアーを無事に完遂できました。

 

初めての北海道探訪に向けて、衣類、地理、
交通手段などわからないことだらけだったけれど、
天気が思ったより良くなかったこと、
ジンギスカンとラーメンを食べられなかったこと、
函館の最終日にどこにも行けなかったこと以外は、
決めた時間に予定通り到着出来て、
満足感の高い旅行になりました。

 

今回は広い北海道の西側を少し触れた程度。
山も海も湖も平野も、本州とはその規模が違う!
次の機会には、
また違う季節に別の地域を訪れてみたいと思いました。

 

 

 

カノンデンタルクリニック
〒275-0011
千葉県習志野市大久保1-23-1 雷門ビル2F
TEL:047-403-3304
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チェンバロの曲

こんにちは。院長の波木です。

 

前回の記事で、チェンバロの歴史や構造、
クラシック界における楽器の立ち位置の変遷、
現在の音楽界における使われ方を簡単に説明しました。

 

ルネッサンス期からバロック期にかけて、
「鍵盤楽器の王」であったチェンバロ

 

そのチェンバロのために様々な作曲家によって、
たくさんの曲が書かれてきました。

 

今回は、チェンバロが鍵盤楽器の主役を担っていた
「ルネッサンス期〜バロック期」
バッハ以外の作曲家の曲を紹介したいと思います。

 

 

最初は、スウェーリンク
「Pavana Lachrimae(涙のパヴァーヌ)after Dowland 」
by Glen Wilson

 

スウェーリンク(jan pieterszoon sweelinck 1562年アムステルダム生)

 

ルネッサンス後期からバロック前期の作曲家・オルガニスト。

 

 

 

この曲は、当時大流行したイングランドの作曲家ダウランドの歌曲
「Pavana Lachrimae(涙のパヴァーヌ)」の編曲版。

 

儚く切ない、苦悩や悲哀を表した原曲の歌詞を投影したような曲調。

 

 

続いて、オランダのシブランドス・ファン・ノールド
(Sybrant van Noordt 1659-1705)
「Sonata A minor」by Bob van Asperen

 

 

題名がソナタとなっていますが、ソナタ形式ではありません。

 

シャコンヌやパッサカリアと言ったほうがいいかもしれません。

 

主題を次々に変奏していく即興性がこの作品の魅力になっています。

 

 

フランソワ・クープラン「恋の夜鳴きうぐいす(Le rossignol en amour)」
by Denis Bonenfant

 

 

フランス・バロックを代表する作曲家クープランは、
1668年にパリで生まれ、チェンバロのために200数曲を残しました。

 

そのいずれもが、
フランスならではの洒脱さとエスプリに満ちた作品となっています。

 

この曲の構成は、右手のメロディーラインに左手の伴奏という、
割りとオーソドックスな形です。

 

右手の装飾音がうぐいすのさえずりを想起させ、
日本でいう「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ」
の部分が後半に出てきます。
ただ、「夜」の感じはあまりありません。

 

 

 

ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau, 1683年生)は、
バロック時代のフランスの作曲家。
ラモー「ファンファリネット」by Olivier Baumont,

 

 

この曲は、新しいクラヴサン曲集第4組曲の第5曲。

 

ファンファリネットは、小さなファンファーレの意。

 

その名の通り、ちょっとした良いことがあった時の
心の高揚感を表すような可愛らしい曲。

 

 

ジャック・デュフリ
(Jacques Duphly 1715年生 フランスの作曲家
オルガン・チェンバロ奏者)

 

「ドゥ・ブロムブル ニ短調 (快活に)
La de Belombre (Vivement)」by Skip Sempe

 

 

出だしがインパクト大!

 

短調の曲にも関わらず、題名通りの快活さが表現されている。

 

 

続いて、J.S.バッハと同い年1685年生のドメニコ・スカルラティ

 

イタリアの有名な作曲家アレッサンドロ・スカルラティの子として生まれ、
礼拝堂の音楽監督を務めた後、スペインへ移住し、
チェンバロ独奏用のソナタを540曲以上作曲。

 

スカルラティの鍵盤楽器のための作品は
主にチェンバロ用と推定されているが、研究の現状では、
チェンバロ以外の鍵盤楽器が完全に想定外であるかは
はっきりしていない)
「Sonata K. 1 in D minor」by David Louie

 

 

(作品番号の頭の「K.」は
カークパトリック(によって付けられた)番号で、
K. 1から30のみが、生前に出版された。)

 

この曲は、右手の下降音型、3度の分散和音とトリル、
左手の伴奏音型の練習になっている。

 

短調の曲なので、全体を覆う憂いを感じつつ、
チェンバロ特有の乾いた音色が、暗さを消し去っている。

 

 

「Sonata K. 141 in D minor」by Jean Rondeau

 

 

右手の同音連打が印象的な曲。

 

スカルラティは、チェンバロという楽器の限界を超えたイメージを持って
この曲を作ったのかもしれない。

 

それ故か、この曲はピアノで演奏されることが多く、
マルタ・アルゲリッチやアレクサンドル・タローの
アンコールピースとしても有名。

 

シャン・ロンドーは、曲想や間の取り方が革新的で、
チェンバロの新たな可能性を示す演奏。

 

 

 

デュフリの「La Forqueray」by Falerno Ducande

 

 

 

ジャック・デュフリ(jacques duphly 1715年生)はフランスの作曲家、
オルガン・チェンバロ奏者。

 

この曲は、不思議な曲。

 

揺れ動く哀しげな単音旋律に伴奏部が絡みそうで絡まない。

 

弾き方によって微妙に明るさ暗さが変わってくる感じ。

 

 

最後は、ロワイエ(joseph-nicolas-pancrace royer 1705年頃生
フランスバロック音楽の作曲家、チェンバロ奏者)

 

「スキタイ人の行進(La Marche des Scythes)」

 

この曲は、バロック期のチェンバロ用楽曲の中にあって、
超絶技巧を要する難曲。

 

全編がアグレッシブで、鬼気迫るという例えがピタりとハマる曲。

 

実演は、植山けいさんの演奏で聴いています。

 

初めてその曲を聴いた時、何なんだこの荒々しい曲は!!
と感嘆した記憶があります。

 

 

巨匠スキップ・センぺの演奏で。

 

録音環境があまり良くないため、残響が被ってしまっているが、
それでもセンぺの技巧を目の当たりにできる演奏。

 

 

 

Jean Rondeauの演奏で。

 

センぺよりもさらに速い演奏。

 

ただ速いだけではなく、緩急を使い分けているところも素晴らしい。

 

チェンバロの魅力を余すことなく表現しきっている。

 

 

Yago Mahúgoによる演奏。

 

 

右手と左手のバランスが絶妙!

 

上段と下段の使い分けで、全体の流れをコントロールしている。

 

こういった違いは録音だけでは計り知れない。動画ならではの発見!!

 

 

Marco Mencoboniによる演奏。

 

スピードは無いが、リズミカルで、かつ味のある演奏。

 

 

前者に比べて遅いが、
しっかりとした技術に裏打ちされた演奏で、好感が持てる。

 

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チェンバロ用(あるいはその時代の鍵盤楽器用)に書かれた楽曲を、
チェンバロで演奏した音源、いかがでしたか?

 

バロック期の、あるいはそれ以前のルネッサンス期の作曲家や
作品が再発掘され、演奏者がそれを取り上げ、
またその演奏を現代の人たちが聞く。

 

バロック期の作品を、
作曲時には無かったピアノで演奏する音源や録音も沢山あります。

 

ピアノ演奏で古い時代の良い曲を取り上げてくれたからこそ、今の、
チェンバロをはじめとする古楽器の存在意義が増しているのでしょう。

 

そんな背景も思い浮かべつつ、チェンバロの曲を聴くと、
また違う楽しみ方が出来るかもしれません。

 

<著名なチェンバリスト>

 

スコット・ロス、トレヴァー・ピノック、トン・コープマン、
ボブ・ファン・アスペレン、ピーター=ヤン・ベルダー、
グスタフ・レオンハルト、
クリストファー・ホグウッド、ケネス・ギルバート、
クリステアーヌ・ジャコッテ、
ヘルムート・ヴァルヒャ、アンドレアス・シュタイアー、
エディット・ピヒト=アクセンフェルト、
カール・リヒター、ピエール・アンタイ、
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ、オリヴィエ・ボーモン、
ワンダ・ランドフスカ、クリストフ・ルセ、
小林道夫、鈴木雅明、曽根麻矢子、中野振一郎、渡邊順生

 

<有望株>

 

ジャン・ロンドー、マハン・エスファハニ、
バンジャマン・アラール、ジュスタン・テイラー
大塚直哉、水永牧子、植山けい、鈴木優人、松岡友子

 

 

 

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チェンバロについて

こんにちは。院長の波木です。

 

最近、患者さんから「ブログ見てます」、
「特に音楽の話題を楽しみにしてます」と言われることが多くなりました。
読んで頂いている方が多いと思うと、記事を書くのも張り合いがあります。

 

読後の感想などを診療後などにお話し頂けると、嬉しいです。

 

さて、今回は
クラヴィコード、リュート、ピアノに続いての楽器紹介です。
チェンバロを実際に見る機会は、なかなか無いと思います。
しかし、日常なんとなく聞いているテレビのBGMや洋楽、
邦楽、ドラマや映画の劇伴などで耳にすることは非常に多い楽器なのです。

 

 

チェンバロ(イタリア語)は、
①弦を④プレクトラム(爪)で弾いて発音する鍵盤楽器の中の撥弦楽器。
英語ではハープシコード 、フランス語ではクラヴサンという。
現存する最古のチェンバロは、1480年頃に製作された
作者不明のクラヴィツィテリウム

 

 

チェンバロは合奏の中で通奏低音を受け持つ
伴奏楽器として使われていたが、
17世紀から18世紀にかけて数多くのチェンバロのための
楽曲が作曲され黄金時代を迎えた。
18世紀の終わりから19世紀の初めにかけてフォルテピアノが一気に台頭し、
鍵盤楽器の王者の地位を追われるが、
20世紀に入ってからランドフスカによって見なおされ、
古楽の歴史考証的な演奏のために復興され、
現代音楽やポピュラー音楽でも用いられている。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/チェンバロ#構造

 

チェンバロの音量は、打鍵(鍵盤を弾くこと)の
強弱によって変えることがほとんど出来ない。
しかし、チェンバロはレジスターと呼ばれる音色の選択機構によって、
音量、音色を段階的に切り替える事が可能である。

 

 

チェンバロの製作様式は大別するとイタリア式フランス式に分けられる。
イタリアン・チェンバロの響きは明るく軽い
イタリアン・チェンバロのほとんどは1段鍵盤で、
通常は2組のユニゾンの弦が張られている。

 

フレンチ・チェンバロは、ほとんどが2段鍵盤で、
下段は8フィートと4フィートの2組、
上段は8フィート弦1組が張られている。
フレンチ・チェンバロの音は、豊かで力強い

 

 

チェンバロの鍵盤は、現代のピアノと同じくナチュラル・キーが白で
シャープ・キーが黒いが、フランスでは逆にナチュラル・キーが黒く
シャープ・キーが白い鍵盤が好まれた。
現代のピアノの「ラ(A)」を442~443Hzで調律されるのに対し、
チェンバロの音高はバロック時代のピッチ415Hzに調律されている。
(数字が大きいほど音が高くなる) 』

 

 

私が最初にチェンバロを生で聴いたのは、
1995年9月23日サントリーホールのコンサート。
リコーダーの巨匠ミカラ・ペトリの演奏会でした。

 

当時私は、チェンバロのために書かれた作品を
ピアノで演奏したCDをたくさん聴いていました。

 

例えば、グレン・グールド演奏のスカルラティのソナタ。

 

 

グールドのノンレガート奏法と曲調がすごく合っています。
この演奏と、巨匠ホロヴィッツのCDで、
スカルラティの魅力に気がつきました。
ドメニコ・スカルラティは、イタリアの作曲家で、
チェンバロ独奏用のソナタを540曲以上(総数は不明)書きました。
イタリアらしい明るい曲が多く、
特にトリルなどの装飾音に特徴があリます。
しかし、ピアノでの演奏をたくさん聴いた後に
チェンバロでの演奏に触れると
次第に疑問を抱くようになってきました。
どちらがスカルラティの楽曲を、作曲者の製作意図に沿って、
より魅力的に表現できているのか・・・

 

チェンバリストDavid Louieによるスカルラティ「Sonata in D minor K.9」

 

 

短調の曲ですから、
全体に物憂げな暗さがつきまとうのですが、
チェンバロの演奏だとその中に軽妙さが良い塩梅に混じる

 

バッハ
「イタリア協奏曲(Italien Concerto) BWV971」第一楽章

 

Rafał Blechaczによるピアノ演奏

 

 

原題は「イタリア趣味によるコンチェルト」で、
バッハがヴィヴァルディをはじめとする
イタリアの作曲家や作風を意識して協奏曲用に作ったチェンバロ独奏曲

 

ピアノで自分もやった曲なので、
ピアノ演奏で聴くことに違和感はないのですが、
これをチェンバロ演奏で聴くと、歯切れ良く、
軽やかで実にチャーミングに聞こえます。

 

 

植山けいさんの演奏は「チェンバロの日」というイベントで
聴いた事があります。

 

 

 

イタリアンチェンバロ

 

 

チェンバロは、楽器そのものの美しさも魅力です。
このチェンバロも、外枠、響板、屋根と華麗な装飾が施されています。
一台一台違う絵柄で、唯一無二の楽器となっています。

 

 

 

フレンチチェンバロ

 

 

フランスの作曲家ジャン=フィリップ・ラモーの「鳥のさえずり」

 

 

チェンバロの音をチチチという鳥のさえずりに見立てた曲。
チェンバロ作品には、ラモーのこの曲に限らず、鳥を題材にした曲が多い。
しかし、それらをピアノ演奏で聴くと、
鳥らしさはあまり感じられなくなります。

 

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チェンバロは、前述したように
昔も今もさまざまなジャンルで使われています。

 

 

「薔薇色のメヌエット」ポール・モーリア

 

 

「I’ll Be Back」Wes Montgomery

 

 

・ポール・モーリア「天使のセレナーデ」
・ポール・モーリア「恋はみずいろ」
・ポール・モーリア「オリーブの首飾り」
・アニメ「キャンディキャンディ」〜オープニングテーマ〜
・半沢直樹 ~Main Title~
・光る君へ
・木村カエラ「Butterfly」
・DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」
・The Beatles「Piggies」
・The Rolling Stones「In Another Land」

 

 

最後にバッハの
「4台のチェンバロのための協奏曲 BWV 1065」を。

 

 

4台のチェンバロ協奏曲を書いたのは、
音楽史上でバッハしかいません。

 

この曲の元曲は、
ヴィヴァルディの協奏曲集『調和の霊感 作品3』
「4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ロ短調」で、
それをバッハがチェンバロ用に編曲したもの。

 

昔も今もチェンバロを4台揃える事さえ難しいのに、
それを調律し、かつ演奏者を集めることなど、
単独のコンサートではあり得ない事です。

 

この動画も、次の動画もいわゆるフェスでのもの。

 

チェンバロ演奏では、観客が舞台上で聴いているのが特徴的。
チェンバロの音量では、広いホール、
大規模のオケという編成ではバランスが悪くなります。

 

ピアノ演奏は、アルゲリッチ、キーシン、プレトニョフと巨匠が勢揃い。

 

 

この演奏は、今でも奇跡的イベントだと評されています。

 

 

最初にお話ししたように、現代の様々な音楽や効果音にも、
チェンバロは思いのほか使用されています。

 

そんな音を探しながら音楽を聴いたり、
テレビを見るのも面白いと思います。

 

 

過去に行ったチェンバロコンサート。

 

2014年5月5日 チェンバロの日 中村恵美 植山けい
2014年12月23日 津田ホール 小林道夫
2015年5月4日 ラフォルジュルネ 鈴木雅明 鈴木優人
2016年7月3日 チェンバロフェスティバル 曽根麻矢子 大塚直哉
渡邊順生 鈴木優人
2016年8月11日 かまがや木楽の家 松岡友子
2016年12月29日 近江楽堂 渡邊順生
2018年2月22日 東京文化会館小ホール ケネス・ワイス

 

 

 

【医院からのお知らせ】
夏季休診のお知らせ
8月8日〜13日まで休診とさせて頂きます

 

 

 

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「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2024」

こんにちは。院長の波木です。

 

今年のGWは5連休でした。

コロナ禍前のGWのメインイベントは

ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)・オ・ジャポン」でした。

 

以下ウィキペディアより

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83

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2005年に始まったこの催しは、

東京国際フォーラムを中心とした周辺施設で、

有料無料のコンサートやライブ、ワークショップ、

展示会、講演会を開催する一大イベントとなっています。

 

私が最初に参加したのは2014年。

その時に観た最初の公演は、

アンヌ・ケフェレックがピアノを弾く

ハイドンとモーツァルトの室内楽でした。

 

その後は、2015年、2016年、2018年、2019年の

会期中の1日は参加していて、今回は5年ぶりの参戦

 

 

☆最初の公演は、ピアニスト:アンヌ・ケフェレックのソロ。

 

・J.S.バッハ/ブゾーニ:コラール前奏曲「来たれ異教徒の救い主よ」 BWV659a

・マルチェッロ/J.S.バッハ:オーボエ協奏曲 ニ長調 BWV596より アダージョ

・ヴィヴァルディ/J.S.バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 BWV596より ラルゴ

・スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.32 「アリア」

・ヘンデル/ケンプ:メヌエット ト短調 HWV434

・J.S.バッハ/ヘス:コラール「主よ、人の望みの喜びよ」 BWV147

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調op.110

 

最初に彼女の演奏を聴いたのは、2010年11月の佐倉市民ホール。

その時のプログラムも、前半はこの日とほぼ同じ。

 

14年経っても彼女の繊細で凛とした演奏スタイルは変わらない。

ベートーヴェンは、バッハを敬愛し、その作風を曲に取り入れた。

その集大成がピアノ・ソナタ第31番。

珍しく演奏前に通訳を連れて解説をするケフェレック。

この曲に対する彼女の想いを、聴衆に語らずにはいられなかったのだろう。

 

そして荘厳な31番が、彼女の中で昇華され、

美しく、そして儚く、時に力強く聴衆の心を打つ。

 

 

 

 

☆2つ目の公演は

・モーツァルト:オペラ《ドン・ジョヴァンニ》序曲 

・ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21

 

小林愛実 (ピアノ)

群馬交響楽団 (オーケストラ)

横山奏 (指揮者)

 

余韻に浸る間も無く移動、なんとかショパンの前に着席できました。

ショパンのピアノ協奏曲といえば第1番。

(実際には、第1番とあるが、2番目に作られている)

 

3年前のショパンコンクールの最終審査(オーケストラとの競演)でも、

2位になった反田恭平をはじめ、

ほとんどの演奏者が第1番を選択しています。

 

2番を聴くのは2回目で、いずれもこのイベント。

コンサートプログラムとしての構成、それによる集客を考えると、

演目の選択はかなり重要なファクターを占めます。

 

このイベントのように、

テーマを設定して構成されるコンサートの場合、

演奏される曲の認識度や人気より、

珍しさや特異性に、お客さんも惹かれる傾向にあると思います。

 

アンコールは、ショパンのノクターン嬰ハ短調。

 

小一時間空いたので、ドイツビールのお店で、

ポーチドエッグがのったシュパーゲル(ホワイトアスパラ)を食す。

 

 

☆3つ目の公演は

・モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュナミ」 

・モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364

 

アンヌ・ケフェレック (ピアノ)

オリヴィエ・シャルリエ (ヴァイオリン)

川本嘉子 (ヴィオラ) 

東京21世紀管弦楽団 (オーケストラ)

中田延亮 (指揮者)

 

チャーミングな出だしのフレーズ。

ピアノとオケの掛け合いが当時としては斬新だったらしい。

 

2019年 ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 に次ぐ、

ケフェレックのモーツァルトのピアノコンチェルト。

一本筋の通った可憐なピアノとオーケストラが、

お互いを引き立て合う心温まる演奏。

 

 

 

☆4つ目の公演は、これぞフェス!!というプログラム。

・ボロディン:オペラ《イーゴリ公》から 「だったん人の踊り」(2台ピアノ版)

・ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」(2台ピアノ版)

 

ナタナエル・グーアン (ピアノ)

広瀬悦子 (ピアノ)

 

ピアノのソロ公演は、

コンサートの中でおそらく一番演奏されるスタイル。

次がピアノが伴奏をする独奏楽器とのデュオ

(バイオリンとピアノ、チェロとピアノ、フルートとピアノなど)。

意外にハードルが高いのが、ピアノ連弾と、2台ピアノの演奏で、

作曲されている曲目が少ない上、

演奏者や会場の事情により、コンサートとして企画される事は稀れ。

 

ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」(2台ピアノ版)は、

CDとして持ってはいても、実演で聴くことが出来るなんて!

まさしくこのフェスならでは。

 

その上、もう一曲が大好きな ボロディンの「だったん人の踊り」。

 

下の演奏は、今回のピアニスト広瀬悦子と

シプリアン・カツァリスのデュオ版。

 

 

アンコールは、チャイコフスキーのくるみ割り人形から「金平糖の踊り」

 

 

 

☆最終公演は

ジャズピアニスト 山下洋輔 ソロ

「ラヴェルのボレロなど、テーマ「ORIGINES」にちなんだ楽曲をモチーフに贈る、唯一無二のスペシャル公演! 」

 

という事でしたが、三階席で聴くのはちょっと無理がありました。

ジャズは目の前で聴いた方が良いです。。。

 

 

以上、ラ・フォル・ジュルネ2024のコンサート評でした。

 

クラシックの入り口、きっかけとしては、非常に良い企画だと思います。

ちょっと聴いてみようかな?なんか面白そうだね?という感じで

参加していただけるとお値段以上の価値を見出してもらえると思います。

 

 

 

 

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〒275-0011
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銚子〜九十九里〜勝浦

こんにちは。院長の波木です。

 

3月20日21日の一泊二日で一人旅をして来ました。

 

銚子へ行くのは25年ぶり。最初の目的地は銚子電鉄の「観音駅」。
駅舎が可愛らしく、ローマ字表記された駅名の「KANNON」が、
当院の「CANON」
と綴りもロゴも似ていて、
一度訪れてみたいと思っていました。

 

 

洋風のレトロな造りの駅。たまたま電車も通って、ラッキーでした。

 

海岸線に抜けて、「君ヶ浜しおさい公園」へ。
駐車場から道を渡るとすぐに広い砂浜に出られます。

 

「犬吠埼灯台」が綺麗に見える公園です。

 

 

ほど近い灯台にのぼってみました。
この日は午前中晴れていたのですが、
飛ばされそうなほどの強風でした。

 

内陸へ入って「地球の丸く見える丘展望館」へ。
銚子半島で一番高い愛宕山の頂上にある展望台。
半島の特殊な地形と周囲に何もない立地から、
360度のパノラマが見られ、
地平線と水平線のつながりで“地球が丸い”ことを
実感できる場所です。

 

 

着いたときには空はすっかり雲に覆われてしまい、
あいにく”東洋のドーバー”と呼ばれる
「屏風浦」は綺麗に見えませんでした。

 

港の近くの旅館で昼食を食べ、
ひたすら九十九里海岸沿いを南下して、白子町の宿舎へ。
温泉と岩盤浴で身体を癒して就寝。

 

二日目。
すっかり天気も回復して、絶好のドライブ日和。
最初の目的地は「岩船地蔵尊」
海に突き出たほこらから太平洋が見渡せます。

 

さらに下って、勝浦湾の突端「八幡岬公園」
駐車場から5分ほど歩いて、かつて勝浦城があった公園へ。
展望デッキからの眺望が素晴らしく、しばし休憩。

 

続いて「鵜原理想郷(南房総国定公園)」
〜起伏に富んだ岬が続くリアス式海岸と
日本の渚百選にも選ばれた鵜原海岸の砂浜が広がる景勝地であり、
南房総国定公園の一角に位置する。
大正時代、この地域を別荘地とする計画があり
「鵜原(うばら)理想郷」と呼ばれてきた。〜

 

駐車場から約2キロのハイキングコース。
「明神岬」「白鳳岬」「毛戸岬(けどみさき)」「黄昏の丘」
山道を巡るコースは、普段運動をしない身には
かなり堪えるアップダウン。

 

でも、そこからの景色は絶景!
浸食されて鋸の歯のように複雑に入り組んだ入り江、
露出した地層。
リアス式海岸を目の当たりにできるオススメの場所です。

 

 

コースの終点は鵜原海岸。
ドラマのロケ地にもなっていて、
鵜原・八坂神社の白い一ノ鳥居で有名。

 

 

勝浦港に戻って、お寿司を頂き、帰路へ。

 

温泉に入って、美味しい海鮮を食べ、海岸線をドライブして、
リフレッシュできました。

 

 

 

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ジャズ2

こんにちは。院長の波木です。

 

前回は、私が「ジャズ」というジャンルに
足を踏み入れた経緯をお話ししました。
本格的にハマったきっかけは、
偶然見つけたライブ告知でした。

 

近隣の本八幡駅近くのライブハウスで、
ギターカルテットのライブがあるということを知り、
友人を誘って、日曜の夕方に観に行きました。

 

2018年10月7日 日曜日@本八幡 cool jo jo

 

 

リーダーのギター増尾好秋氏率いるグループでしたが、
その友人曰く「世界的に有名なギタリストですよ。
自分もライブを見に行ったことがあります」と。

 

そんな前知識もなく、ライブを鑑賞していました。
編成は、ギターがフロント、
後ろにドラム、ベース、
ピアノがほぼ並列になる編成でした。

 

ギターの繊細で、温かみと味のあるフレージング、
若いドラムのアグレッシブな感じ、
ベースのグルーヴ・・・
確かに良かったのですが、
私の耳に鮮烈に残ったのは、
顔も見えない位置で演奏している
ピアノの音色でした。

 

後ろにいるのに前で演奏しているような存在感、
メインであるギターを決して邪魔しないけど、
オリジナリティがある。

 

特に左手の使い方が素晴らしく、
ただコードをおさえるのでなく、
右手に勝るくらいの速さで弾く。

これはただモノでは無い・・・
と直感しました。

 

 

ピアノを演奏していたのは『永武幹子』さん。

 

 

以下略歴
『船橋市出身。5歳よりクラシックピアノを始め、
ヤマハ音楽教室で寄島清美氏に師事、
演奏技術だけでなく、即興演奏や作曲の基礎を学ぶ。
渋谷幕張高校卒、早稲田大学法学部入学後、
同大学モダンジャズ研究会でジャズに目覚める。
現在は、増尾好秋(guitar)YOSHIAKI MASUO GROUP、
酒井俊(vocal)グループ、 峰厚介(t.sax) M’s Threeなどに
参加する他、 自身のピアノトリオ
”永武幹子Trio”, ”J.J.Soul”や 加納奈実(a.sax&s.sax)との
Duoユニット”Jabuticaba”をメインに、
東京都内のジャズクラブや
ライブハウスを中心に活動している。 』

 

クラシックのピアニストを
数十年間あまた聴いている私の経験値でも、
計り知れない「実力」「器」を感じて、
その後すぐに市川のライブに行き、
その直感は確信に変わりました。

 

永武 幹子 solo piano@プラス・イレヴン
https://www.youtube.com/live/caDHsNE10sA?si=OZuQiz9hAe1EYEA3

 

ライブプログラムは、ソロであれば、
3ステージ、デュオであれば2 or 3ステージ、
トリオ以上であれば2ステージということが多いのですが、
彼女は難易度の高い曲を、
1ステージに必ず一曲は入れてきます。

 

上の動画中では、一曲目の
The Village / 穐吉敏子」。
この曲は、元々のモチーフが、
「木更津甚句」という民謡。

 

左手が7拍子という変則的な拍子の上に、
民謡調のメロディーを複雑な和音で被せる。

 

これは、聴いている感覚以上に高度なテクニックで、
左手の速いパッセージを、強く、
リズムを崩さずに弾くだけでも普通は困難!

 

クラシックで例えるならば、
左手がラフマニノフの
プレリュードのアルペジオに、
右手はフランツ・リストの超絶技巧。

 

両手の五指を最大限に使って、
オクターブを正確無比に弾きつつ、
魅惑的な旋律を
随所に散りばめている点が共通している。

 

 

 

彼女のレパートリーの中から、
難曲をいくつか挙げます。

 

European Episode / Jaki Byard
https://youtu.be/WuGFflgGqZM?si=ycw6wr9F8XaiR_K3

 

この曲も、左手の複雑なパッセージと
右手の速弾きが何重にも組み合わさって、
組曲的な起承転結の構成。

 

まぁ演奏する人はいないだろう〜と思う曲を、
彼女は面白い!と思って、コピーして、
さらに自分のものにしてしまう。

 

The Bach Suite – Allegro / Oscar Peterson
https://youtu.be/EXVYpMjVdoU?si=nwn5roqGwO8YclO7

 

前半はメロディアスな優しい曲調。
展開した先は、オスカー・ピーターソンが
敬愛するバッハの手法を模した、
ジャズではあまり使わない主題。
変奏曲風にそのテーマを展開していく。

 

上の動画ではカルテットで演奏されているのだが、
これをソロピアノでやってしまうのだから、
もはや唖然とするしかない。

 

元来がバッハ大好きな私に、まさにジャストフィット♪
(永武さんもバッハを弾くのは、好きだそう)

 

Captain Senor Mouse / Chick Corea
https://youtu.be/d4ERYIVdq_M?si=L9afzH9JONEzM-we

 

この曲は、チック・コリアと
ゲイリー・バートンとのデュオで
1973年にリリースされた。

 

前半はラテン乗りの明るい曲調。
左手はかなり複雑なリズムとフレーズ。

 

組曲的な曲の構成に加えて、
チック・コリアならではの、
キメと叙情的なコード進行。

 

ヴィブラフォンの中島香里さんとのデュオで、
彼女は初見(練習もせずに楽譜を見てすぐに演奏する事)で
この曲を弾いてしまった。。

 

チック・コリアファンの自分は、
リアルに演奏を聴いた感動ももちろんあったが、
それを通り越して呆然・・・

 

 

彼女は、作曲家としても稀有な才能を見せています。

 

 

オリジナル曲をはじめとした曲を
収録したCDを毎年のように録音し、
発表しています。

 

そのどれもが完成度が高く、
ユニットによってコンセプトを変え、
違う表現をみせるのも魅力です。
特にマイナー調の暗い曲が秀逸。

 

発売中のCD
・「Fairway 」eFreydut
・「Into The Forest」永武幹子トリオ
・「Breathe Beneath the Sun」永武幹子トリオ
・「Solo」永武幹子
・「Locura de Amor」永武幹子&天辰直彦
・「ジャボチカバ」Jabuticaba

 

 

東京証券取引所で行われたライブより。
Session4:永武幹子トリオ 永武 幹子 (Pf) 織原 良次(B) 吉良 創太(Ds) 2021年12月10日

https://youtu.be/Kr74DUAzOb0?si=ZgH5yTdPBdWcbsr4

 

現在、都内を中心に活動している彼女の、
千葉で行われるライブには可能な限り行っています。

 

2023年7月28日 船橋市主催
「ちょっとよりみちライブ」より

 

 

この記事を見て、彼女の演奏に興味を持たれた方は、
是非とも生の演奏を聴いて欲しい♬

 

船橋 コクリコット & コクリコットフォルテ
https://coquelicot-jazz.com/
柏 ナーディス
http://knardis.com/knardis.com/Welcome.html
本八幡 cool jo jo
https://www.cooljojo.tokyo/

 

私が彼女の演奏に傾倒している理由が
わかってもらえるかもしれません。

 

 

 

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ジャズ

こんにちは。院長の波木です。

 

「ジャズ」という音楽のジャンルは、19世紀末から20世紀初頭にかけて
ニューオーリンズの黒人コミュニティで生まれたもので、
ブルースやラグタイムをルーツとしています。

 

その後、スウィング、ビバップ、モードジャズ、ハードバップ、
フリージャズ、スムーズジャズなどの様々なスタイルやムーブメントを経て
現在に至ります。
詳しいことはウィキペディアで。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%BA#%E4%B8
%BB%E3%81%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82
%B9%E3%83%88

 

 

主な歴史的ジャズミュージシャン

 

ルイ・アームストロング (テナーサックス)
グレン・ミラー(トロンボーン)
デューク・エリントン(ピアノ)
カウント・ベイシー (ピアノ)
ベニー・グッドマン (クラリネット)
チェット・ベイカー(トランペット)
チャーリー・パーカー (アルトサックス)
ウェス・モンゴメリー(ギター)
セロニアス・モンク (ピアノ)
マイルス・デイビス(トランペット)
ビル・エヴァンス(ピアノ)
ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
アート・ペッパー(アルトサックス)
デイヴ・ブルーベック (ピアノ)
ハービー・ハンコック (ピアノ)
ナット・キング・コール(ボーカル)
ソニー・ロリンズ(テナーサックス)
チック・コリア (ピアノ)

 

 

ジャズの曲の形は、イントロ→テーマ(主題)→ソロ→テーマ→
アウトロ(曲の終わり)という進行が基本になっています。

 

その中で、複雑なコード(和音)と複雑なスケール(音階)、
インプロヴィゼーション(アドリブ)を使って曲を構成して行きます。

 

ジャズミュージシャンの個性、オリジナリティーは、
インプロにあるといっても言い過ぎではないでしょう。

 

 

 

 

✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎

 

 

私の音楽嗜好の中にジャズが入って来たのは、高校生の頃でした。

 

ピアニストのボブ・ジェームスが演奏する曲がテレビCMで流れていて、
そのお洒落な曲調に惹かれたのが最初です。

 

サントリーリザーブのCMより

 

 

 

この曲は、厳密に言うと「エレクトリック・ジャズ」で、
当時は「クロスオーバー」と呼ばれていました。

 

その後、「フュージョン」と名前を変え、以前お話ししたチックコリアの
エレクトリックバンドや、日本ではカシオペア、
(Truthで有名な)T-SQUAREが一世を風靡します。

 

テレビやお店のBGMとして、ジャズが普通に使われるようになったのは
その後です。

 

Eテレの「美の壺」のテーマ曲
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのモーニン

 

 

 

その頃、チック・コリアやビル・エヴァンス、
レッド・ガーランドらのピアニスト、ウェス・モンゴメリーのCDを
購入するなどして聴いていました。

 

 

 

 

 

 

日本のジャズのメッカ「ブルーノート東京」にも何度か行きました。

 

 

2019年の東京ジャズでは、ストリートパフォーマンスと
チックコリア・エレクトリックバンドの演奏を楽しみました。

 

それから、あるライブをきっかけにしてジャズにハマっていく訳ですが、
その話は次回に・・・

 

 

 

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ピアノについて

こんにちは。院長の波木です。
今回はみなさんご存知の「ピアノ」という楽器について、
お話ししたいと思います。

 

 

鍵盤楽器には以下の種類があります。
弦鳴楽器、気鳴楽器、体鳴楽器、電子楽器。
クラヴィコードの記事でも書きましたが、
ピアノは弦鳴楽器の中の打弦楽器に入ります。

 

鍵を押し下げると、ハンマーが連動して弦を叩いて、
音を出す仕組みになっています。

 

 

 

現在のピアノは、イタリアの
バルトロメオ・クリストフォリ
が発明したとみなされています。

 

チェンバロを製作していたクリストフォリは、
音の強弱が付けられないという
チェンバロの弱点を克服する手段として、
指が鍵盤を押す力の強弱がそのまま
ハンマーが弦を叩く強さに反映される、
ハンマー・アクション機構を発明しました。

 

これによって、弱音(ピアノ=p)も強音(フォルテ=f)も
自在に出すことができるようになりました。

 

この楽器は、
「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(強弱をもつチェンバロ)」
と名付けられ、それを短縮されたものが
「ピアノ」の名前の由来とされています。

 

 

クリストフォリが最初にピアノを製作したのが
いつ頃かは明らかではありませんが、
1700年にはピアノがすでに
存在していたことが知られています。

 

https://youtu.be/A2WdjyKQ57A?si=6mnw8vL6a6UX_Fmy

 

 

 

クリストフォリの後、
ジルバーマンが改良を重ね、
バッハもそれを評価したそうです。

 

現代のピアノ(モダンピアノ)と区別して、
19世紀初頭以前の初期ピアノを
「フォルテピアノ」と呼びます。

 

ピアノはモーツァルトの時代の楽器から、
モダンピアノに至る劇的な変化を遂げて行きます。
1790年代には5オクターヴと5度、
1810年には6オクターヴの楽器を作っています。

 

ベートーヴェンはその後期の作品で、
拡大した音域を利用して
ピアノソナタを作曲しています。

 

現代のピアノを製造可能にしたのは、
正確な鋳造技術により鉄製フレームを作ることが、
できるようになった事によります。

 

 

 

ショパンやリストは、エラール社のピアノを愛用していました。

 

最近では、古楽ブームの中で、
フォルテピアノによる演奏CDが発売され、
演奏会が行われるようになりました。

 

同じショパンの曲も、モダンピアノとフォルテピアノでは
曲の印象が全く違います。

 

https://youtu.be/3PoSlDhoTJ4?si=FTbL9ns0yOKg23oC

 

 

作曲者が作曲に使った(または念頭において作曲した)
楽器を使用して演奏するという
原点回帰が、クラシック界に起こった訳です。

 

コンサートピアノとしてのグランドピアノが最高で、
アップライトピアノが下に見られて来ましたが、
必ずしも全ての曲が
グランドピアノに合うわけではありません。

 

最近のj-popでは、あえて音が響かなくて、
素朴な音色のアップライトピアノを使ったり、
ローズピアノ(電気ピアノ)を使用したりしています。

 

 

 

使用しているピアノのメーカーの差で、曲の印象も変わります。

 

ピアニストは曲との相性も考えて、ピアノを選んでいるので、
楽器の視点から楽曲を聴いてみるのも面白いと思います。

 

 

 

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リュートについて

こんにちは。院長の波木です。
私が鍵盤楽器とその演奏曲のマニアだという事は
以前お話ししましたが、
その次に好きな楽器が「リュート」です。

 

 

現代の楽器ではなく、
ルネッサンス期やバロック期に繁栄した、
ギターの原形のような楽器です。
リュートについての詳細はウィキにて。
https://ja.wikipedia.org/wiki/リュート

 

 

「シチリアーナ(作者不詳 16世紀イタリア)」
https://youtu.be/pIQzQGXVecE?si=N5XcfBSXH7xhszf1

 

私がリュートに惹かれたきっかけは、
つのだたかしのリュート演奏。
カゴメの「アンナ・マンマ(AnnaMamma)」の
CMに使用されたことで有名になった曲といえば
おわかりの方も多いはず。
心にしみ渡る素朴で懐かしい響き。

 

ジョン=ダウランドの代表作「涙のパヴァーヌ」

https://youtu.be/ZayFB2A950U?si=O6eS0Qk880kG-oLF

 

ルネッサンス期の曲調、音量が小さく響きが豊かで
繊細なリュートの演奏が素晴らしい。

 

ロック歌手スティングも自身がリュートを練習し、
リュート伴奏による録音をしています。
https://youtu.be/PM2efKgXGvA?si=jAqgZcRUvOz1oF9K

 

「グリーンスリーブス(イングランド民謡)」
https://youtu.be/NZcNzzrDYcE?si=3woPY6lgQS3xlsNo

 

バッハの作品には、リュートに向けた作品があり、
同時代のドイツの作曲家でリュート奏者の
ヴァイスとの競作作品もあります。

 

 

 

バッハ「Prelude BWV 998」
https://youtu.be/J4rzSTtO0Ng?si=jfdHSU7DOoWnpUmC

 

しかし、バッハを含めた
バロック期以降の古典派時代になると、
次第に演奏されることも、曲が作られることも無くなり、
廃れてしまいます。

 

そして、20世紀の初頭の
歴史的な楽器への関心の高まりによって
リュートは復活。
20世紀後半の古楽復興によってさらに加速され、
現代に至ります。

 

最近では、音大でリュートを教える科が出来て、
リュート奏者や、リュート作製する工房も増え、
演奏会やライブも頻繁に行われています。

 

私が良く行く船橋のジャズバー「コクリコット」でも
月に一度ほどリュートのライブがあります。
Jazz Bar coquelicot (coquelicot-jazz.com)

 

✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎ ✳︎ ✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎  ✳︎

 

カノンデンタルクリニックでは、
特に夏の暑い時期にリュート曲を流す事が多いです。
リュートの音色は、温かみに溢れていますが、
私は同時に涼やかさも感じていて、
汗ばむ夏場の癒しになるのではないか、
と思っています。

 

みなさんはリュート演奏を聴いてみて、
どんな感想を持ちましたか?

 

 

 

 

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